無理です、なんてストレートに言ったら
キツすぎるよね。
でもなんて断ればいいんだろう……。
私が断る言葉を捜していたとき、
「ちょい通してー!」
自分の耳がピクリとしたのがわかった。
「ああ、悪い」
声の通り、私に話しかけてた人たちがどいた。
「いやいやー、話中にごめんねー……って、香乃子ちゃん?」
手に大量のパンを抱えた、
稜佑が購買から帰ってきたらしい。
「そんなに食べんの?」
「俺成長期」
「まだのびんの!?」
いやみかと思うくらい長い脚、高い身長を
まだのばすのか、この男は。
「ごめんねー、俺ばっか高くて」
そう私の頭をぽんぽんとたたく。
手を払ってキッと睨むと、
「んで?この人たちは?」
とさっきまで話してた人たちをじーっと見始めた。
「いや、誰かは知らないけど、
何故か連絡先聞かれて」
「ふーん……」