「あっちまで来いってことだよね?」
その子に聞くと
「私もさっき教室入った時に
話しかけられただけだから……」
と困り顔。
「そっか、とにかくありがとう」
「ううん」
そう言うと伝えてくれた子は
自分のグループに戻り、
私は仕方なく席を立つ。
「いってらっしゃい、香乃子!」
なんだかやけににやにやとした
美奈と茜と
少しおろおろしてる紗依。
「何よ、その表情は」
こういう時の2人のこの表情は
なんかあんまり良くない事がありそうな気がする。
「いやー、青春だねえ」
「ねっ!」
ほら、なんか絶対わかってて
それでも教えてくれないんだ。
「まあいいや、なんかわかんないけどちょっといってくる」
ため息をついてドアへと向かった。