……よかった。

今以上に学校に来づらくなるようなことにならなくて。


思わず安堵の息をもらした。


「溜め息はくと幸せ逃げちゃうよー?」


……が、恐怖心も消えて、

イラつきがやっぱり倍増した。


というか、まだ話しかけてきた!?


「いやー、それにしてもさ、すごいね」

勝手に一人、私の横を歩き話してる彼を無視する。


「山田さんってかっこいいよね!」

……何が言いたいの?

てかもうほっといてくれないかな?


「ねぇ、本当の山田さんは、昨日の感じ?」


疑問形で聞かれて、無視がむずかゆくなってしまい、

つい答えてしまった。


「……何がですか?」


「今ももちろんクールな感じでいいと思うんだけど、

昨日の山田さん最高だったよ!

すごいギャップ!


あの、“毒舌”?」