そう言われてムッとした私は
さっき水野くんに言ってもらったところに
取り掛かり始めた。
でも、
「おー、なんか急にやる気出してるし」
隣でこう茶化してくる稜佑のせいで集中できない。
「もう、稜佑うるさい!集中できない!」
「え、俺がいて緊張しちゃうの?」
……もうやだ、この調子者。
「そんなわけないでしょ。
茶化されると気が緩むのよ」
「はいはい、すいませんでしたー」
なんて、いつものようなやりとりに
「くすっ」という笑い声が入った。
「「え?」」
私と稜佑は勢いよく、
水野くんを見た。
「……え、何?」
すでにその表情はいつもの静かなものに戻っていたけど、
確かに今の笑い声は彼からだった気がする。
それは稜佑もわかったみたいで、
「今水野笑ったべ!?」
なんてしつこく絡んでいく。
私は嬉しく思いながら、
稜佑が水野くんに絡んでるうちに、
なんて勉強を進めていく。
そうしているうちにいつの間にか結構時間が経ってきて。