――「この場合はこの方程式を使うと解ける。

この配列ならこれだって覚える。

山田さん、その場その場で考えて代入しては探してって感じだから解くのが遅い」

「うう、なるほど……」

水野くんは思ってた以上にスパルタで、

最初は私のわからない部分を教えてくれようとしてくれたんだけど、

私が出来なさ過ぎてもうどうやったら解けるか方法をまず教わることに。


「……なんでこんなになるまで放っておいたの?」

水野くんは眉間にしわを寄せて私にため息を吐く。

「あー、いや……自分ではこんなにわかってないとは思ってなくて……あはは」

それにわからないとこあっても、前はそれを聞ける友達もいなかったしね。

「小テストの点数は良かったの?

小テストなんて、習ってすぐやるテストなんだから、そこで9割以上とれなきゃ定着してないってことだよ。

まあテスト直前にさらっとやって良い点とれるやつも世の中にはたくさんいるけど、あれはその場しのぎ」


なるほど。

……小テストの点か。


「あー、毎回対して気にしてなかったけど、いつも半分取れていればいい方なんて思ってたわ」

自分で言ってて苦笑い。


「なら、間違えたところ先生に聞くとかさ」

水野くんは完全に呆れ顔で

なんだか恥ずかしくなってきた。


「そ、そうですよね……はは……」

恥を晒してる自覚がでてきて、顔が熱くなってるのに気づく。

うわー、水野くん、絶対私のことすごい頭悪いって思ってるよー!


そう思って水野くんをちらっと見ると、

ばちっと目があってしまった。