しばらく理解出来なくて、
フリーズする私。
「……え、勉強教えてくれるの?」
なんとかしぼりだした声で尋ねると
彼は無言で頷いた。
「な、何で水野くんが……?」
一番疑問に思っていることを聞く。
「今、本読んでテスト勉強進んでないって聞こえたから」
あ、聞こえちゃってたんだ。
なんて恥ずかしく思うけど、
そうじゃなくて!
「それは私が悪いからっ――」
「俺が本貸したのも、あるから」
水野くんが勉強を教えると言ってくれたのは
自分が本を貸したから私が勉強出来なかったって責任を感じてくれたみたい……。
「でも……」
それでも、計画もなしにひたすら勉強せず本を読んでたのは私で、
水野くんは全く悪くない。
正直誰かに教えてもらわなくちゃってくらい危ない状況なわけだけど、
これは断らなくちゃ。
「やっぱり悪いよ。私は自業自得だし、自分でやらないと」
そうはっきり言ったのに
「それでもばつが悪いし、
それに……、
山田さんとはもっと本の事とか話してみたいから」
最後の言葉に何故か心拍数が上がった。
友達のいらないって言ってた彼が、
自分から私と関わろうとしてくれてる!
きっと私、自分のように嬉しいと思ってるんだ!
「あっ、えっと、じゃあよろしくお願いしますっ!」
そんな嬉しさに負けて、
水野くんの負担とか考えなしに
お願いしてしまった。
「じゃあ早速今日の放課後からでいい?」
「は、はい」