「もう来週からだよ!?」
きっとしっかり計画して勉強してるんだろう美奈にがっつり言われると
もう自分が情けなくて情けなくて。
なんだかムキになって、
鞄に弁当箱をしまう際に思いっきり立ち上がる。
「本が面白かったのー!!」
言い逃げしようとその勢いのまま振り返ると、
誰かに当たってしまう。
「――わっ、ごめんなさい!」
「……いや、大丈夫」
ぶつかったのは、水野くん。
そういえば、また昼休みって言ってくれたんだった。
ぱぁっと気持ちが明るくなって
「水野くんっ!」
彼と本の事を語れるのかという嬉しさでテンションが上がった。
「山田さん――」
彼が口を開いて、
あの作品の彼の感想も聞けるんだ、
そうわくわくして耳を傾けると
「勉強、してないの?」
全く違う言葉が。
「へっ……?」
びっくりしてアホらしい声が出た。
その声を聞いた水野くんは今まであまり崩すことのなかったその表情を少し崩し、
はあとため息をつきながら
「勉強、教えるから、放課後」
ぎこちなく私に向かって言った。