「ねえねえ、再来週テスト終わったらさ、その週末遊び行かない?」

朝登校すると席に飛んできた美奈に開口一番に言われた。


「再来週かー……、多分大丈夫!」

なんてちょうど机に置いたばかりの鞄から手帳を取り出して確認して、

その言われた日にちに何も書いてなかったのを見て答えた。

……まではよかったんだけど、


あれ、今美奈も言ってたけど、

テストってもう来週なのっ!?


急に焦ってきて、手帳を確認すると

ちょうど今日でテストが始まる1週間前。

借りた小説が面白くてつい夢中で読んじゃったけど、

その分テスト勉強進んでないよ……!


メガネかけて地味で黒髪で、

なんて頭良いように思われるかもだけど、

この高校の受験に必死になっちゃうくらいは、並の頭脳しか持ち合わせてないんだよ……。


「じゃあ再来週の、土曜日かな!よかったら開けておいて!」

焦りながらも

一応首を縦に振って

言ってた土曜日に予定を書き込んだ。


書き終えて周りを見れば、

いつもより比較的朝から机で勉強してる人が多いかも……。


ああー!私のバカ!

やけになって手帳を乱暴に鞄に戻そうとして、

入っていた本に手が当たった。


あ、そうだ、とりあえず水野くんに本返そ。