――「香乃子ー!おはようー!」
重いリュックを背負いながら
学校の門をくぐり、
同じように大きな鞄を持ったジャージ姿の生徒で賑わう校庭へと足を進めると
いつも聞く声が響いた。
「あっ、茜ちゃん!」
私はその声の方に歩み寄ると
既にそこにはいつもの3人の姿があった。
「香乃子、おはよう」
私に負けないくらい大きなリュックを背負う美奈ちゃん。
なんと明日の髪型ためにヘアーアイロン持参なんだって。
流石、オシャレ女子!
「おはよう、香乃子ちゃん!」
もう既に楽しそうににこにことしてる紗依ちゃんは茜ちゃんの髪をポニーテールに結んであげているところだった。
「うん、おはようー!楽しみだねー」
今日から高校に入って初めての行事、
1泊2日の宿泊研修!
学校の前には生徒達の乗る大型バスが数台止っていて、
私達は点呼をしたらそれに乗るよう指示されていた。