しまった……。

そう思って私は必死に頭を巡らせて次の言葉を探す。

「ほら、あの髪型、ふわふわーってしててさ!

おしゃれすぎて私みたいに地味なやつにはわからないからさ!」


慌てて苦し紛れで言ってみたけど、

どうやらうまく誤魔化せたようで

3人は

「あー、結構チャラいよねー」

なんて頷いてくれた。


……危なかった。

ふと気を抜くと

キツい鼻につくような物言いになってしまう。


「私も、実は……」

なんて紗依ちゃんが言い出して、

話の流れがありがたくも紗依ちゃんに向かう。


そういえば、前にもそう言ってたな。

なんて思いながら話を聞くと、

どうやら中学時代の時、

紗依ちゃんの仲が良かった子が

稜佑への好意をアイツに軽く扱われて

傷つけられた、らしい。


……やっぱり、かなり女の子とそういうの多いんだ。

なんて思うと胸が苦しくなって、

より一層アイツのことを苦手になったみたいだ。


「確かにいつも女の子とか近くにいるもんねー」

そういう茜ちゃんの言葉には

すごく思い当たる節がある。


だって先ずアイツとのファーストコンタクトだって女子絡みだったし。


そう考えると、

あの時に比べて随分馴染んでしまった。


だから好きなのかなんて全く不名誉な間違われ方しちゃうんだ。


うん、そうだ。

やっぱりもっと離れよう。


なんてみんなが違う話題に変えていっても

ぼんやりと1人思っていた。