放課後の図書室は誰もいなくて、先輩はそれを良い事に毎回呼び出してくる。


先輩の話は全て子守唄のように聞こえてきて、思わずウトウトと眠くなるんだよね。


「…て言うかさぁ、先輩」


「何だよ?」


地べたで本棚に持たれて座っているあたしに抱きついてくる先輩。


軽い男は嫌いだ、大嫌い。


「彼女いるじゃん」


抱きついてくる先輩の胸を手で押すと、簡単に離れてくれた。


だけどあたしの顎をクイッと上げると、無理矢理キスをしてきた。


「…………んっ」


簡単に離れてくれたはずなのに、どれだけ嫌がっても唇は離れない。


ムカつく…最低…………そんな感情が溢れては冷める。


あたしは多分誰とキスしても感情は生まれないんだと思った。


つまり、好きも嫌いも生まれないんだと。


あたしは誰とでも受け入れる都合の良い女なのかも。