「起立、礼っ」 『さようなら』 ふぅ…、やっとホームルームが終わった。 「ゆーかーりっ、一緒に帰ろう?」 「あっ美和。うん、一緒に帰ろう」 私はカバンにさっき配られた教科書を詰め込む。 「――美和ーっ!今日は俺と一緒に帰るんじゃなかったのかよ?」 誰かが美和に話しかけている。佐渡くんだ。一緒に帰るらしかったらしい。 「ごっめーっん!すっかり忘れてた」 「はぁ!?おまえから誘っといて、そりゃないだろ…」 笑いながら謝る美和を佐渡くんは呆れている。