「えー?


 何てーー??」



 
 金髪が大声で聞き返す。



 無理もない、猛スピードで走っているから


 轟音で何をしゃべってるのか聞こえなくて当然だ。



 
 そんな轟音の中だというのに、


 金髪の声は、よく通った。


 
「あんたの声、聞きやすいって言ったの」




 それに対して




「うん、よく言われる。



 夢羽にもほめられたことあるよ?」




 …きっと


 この仲間思いの男は

 あの手この手で夢羽をどうにかしようとしてるんだろう。




 でも、それを私に託すのは


 少し甘いんじゃないかと思う。