「…てかやけに濡れてるけど、どこから歩き始めたの?



 もしかしてずっと歩いてた?




 けっこうな距離だよ、ここから家まで…」





 近所迷惑な音を出しながら、猛烈なスピードで金髪がバイクを走らせる。




 力がまったく入らない私の手を



 むりやり自分の腰に巻きつかせて




 私の手が離れてないか時々確認している。





 …私の手が離れることより、


 片手運転のほうがよっぽど危ない気もするけれど。