服を掴むように着て、 それから財布だけを掴んで外に出た。 外に出ると空はどんより曇ってて まもなく私の頬にぽつぽつと滴が落ちた。 …どれくらい歩いただろう 意識などせずに、ひたすら足を動かしていた。 バイクの轟音が近づいてくるのがわかる。 「…あれ、空ちゃん?」 聞いたことのある声… そこにはバイクに跨った金髪が、目を丸くして立っていた。