あの国語科準備室での一件以来、私と蓮沼くんの距離は縮まり、そして私は蓮沼くんを目で追うようになってしまった。



今日もまた…。


「おーい、こっちこっち。」


「大森、ナイスシュート!!」




職員室の窓が開いており、そこからは心地よい初夏の風と、元気な生徒たちの声が入ってくる。



あ…。

私はマグカップを片手に持ち、グラウンドでサッカーをしている男子生徒に目がいった。



男子生徒―――――。


ううん、違う。


蓮沼くんに。