吹き飛ばしても、焼き尽くしても。

AOKの群れは幾度となく再生して侵攻してくる。

前線にいる兵士や部隊が次々とその犠牲となった。

その死に様がまた不可解であった。

決して致命傷ではない、AOKのほんの一噛み。

出血も然程でもなく、傷も深くはない。

にもかかわらず、噛まれた兵士は悶絶し、吐血に次ぐ吐血の末に絶命してしまったのだ。

後の研究により、AOKは人類に対して有害な分泌物を口から出す為、AOKに噛まれた者は僅かでも分泌物が体内に入れば死に至る事が判明した。

身体能力のみならず、AOKは人類に対して『毒物』まで持つ、まさしく天敵だったのだ。