それに気づいたのは、火災を食い止めようと隕石に近づいていった消防士だった。

超高熱で燃え盛る隕石落着地付近。

防火服を着ていても熱さを感じるほどの超高温。

その炎の中で、何かが動いたような気がした。

俄かに信じ難い。

この炎の中で生存できる生命体など、存在する筈がない。

『地球上』では。

その炎の中で、何かがユラリと立ち上がる。

しかも一体ではない。

何体も、何体も、数え切れないほどに。

後の調査で明らかになる事だが、この隕石には数多くの卵が産み付けられていた。

卵は落着時の高熱と衝撃によって一気に孵化し、この地に災いの子を撒き散らす事になったのだ。

『喀什遭遇戦』

地球に降り立ったAOKと地球人類の、初の戦闘の幕開けだった。