ドカドカと廊下を歩く音と、
「雫、帰ったの?」
怒鳴るような乱暴な声が廊下の向こうで聞こえたと思ったら――…
「ひゃっ!?」
あたしの部屋のドアが、ノックもなく開けられた。
塾から帰って、ほっと一息。
“さぁ、制服を脱ごうかな”なんて、胸元のリボンをぷちんとはずしたばかりだったあたしの目に映ったのは――…
「△■○…?*∵…
ひ…ひ…ひゃぁ―っ!!」
お風呂上りらしい、上半身裸の聡の姿。
「な…な…なに、その格好っ!!」
聡の上半身裸を見るのは初めてではないけど、
「の…の…ノックぐらいしてよね」
それは、どもりながら、的外れなことを言ってしまうぐらい、インパクト大で。