ち…ち…ちょっと待ってください。


顔の前で両手を掲げ、黒あくまから顔を背けるあたし。


こ…こ…こんなに近くで男の子と2人なんて、ありえない。


…ってか、相手があの黒あくまだってのが、さらにありえない。


だって、こいつ。


「い―…たたた…
痛いって!!」


あたしのほっぺを、ぎゅーっと、力いっぱいつねるんだもん。


そのクセ、


「やべ、超可愛い」


――とか。


喜々として言わないでよね。


この、変態っ!!