遠くなる校舎を振り返り、


「あの…
あの…」


泡を吹く勢いで焦るあたしに、


「あーあ。
でも、これで。
なーんにも、ヒミツがなくなっちゃったなぁ」


聡は流し目をおくり、首の後ろをぽりぽりっとかいた。


「ヒミツの恋ってさ。
なにげに、萌えポイントだったのに」


「…はぁ?」