そう言って、聡はあたしの目の前でケータイをヒラヒラ揺らした。


「ま、雫もオレも追い込もうって魂胆だったらしいけど。
んなの、オレには通用しねぇし」


「…?」


首をかしげたあたしの涙をすくいとって、聡はケータイを操りながらこう言った。


「雫、おまえにいいこと教えてやるよ」


そう言うと、聡はケータイを口元にあて――…


「敦。
あいつ、昔。
どーしよーもない“泣き虫”だったんだぜ?


黒あくまの過去の秘密をカミングアウトした。