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新学期が始まってすぐのこと。
意味もなく全校集会が開かれた。
いや、意味はあった。
教頭がマイクで俺の知っている名前を呼ぶ。
「はい」とよく通る声が体育館中に響く。
壇上に上がる、その姿は、やっぱり知り合いだった。
校長が機嫌良さげに話し出した。
その内容はサッカー部の先輩だった栗原先輩が海外に行くというのだ。
校長は栗原先輩に握手を求め、「頑張りなさい」と励ましの言葉をかけた。
パチパチと全校生徒の拍手を受け、先輩は八重歯をチラリと見せて照れたように頭をかいた。