私は今、部屋着のまま、近くの大学病院にいる。
何が現実で、何が嘘なのか。そんなことすら分からなくなっている。
あの着信はマスターからの、雅哉さんが事故にあった知らせだった。
急いでマスターから聞いた病院に向かった私は雅哉さんの病室に足を踏み入れた。
幸い、大きな怪我はなかった。
……なかったと思っていたのに。
「君は……誰?」
雅哉さんのその目は、その言葉が冗談でないことを物語っている。
「ごめん、何か君の顔見るともやもやするんだ。出て行ってくれるかな」
待っていた残酷な結末。
私は病室を後にした。