「大変じゃない? 受験勉強」 雅哉さんは数年前の自分の姿を思い出しているのか、どこか遠くを見ている。 「よかったら、勉強教えるよ。一応現役だし」 視線を私に合わせた雅哉さんは、いつもの笑顔とは違う、真剣な眼差しになった。 「いいんですか!?」 正直、自分1人での勉強に行き詰っていた私は、よろしくお願いします。と雅哉さんに頭を下げた。