ひとまず目の前のカウンター席に腰かけ、ぼーっとカウンターの中を見る。 壁の棚にはコーヒー豆が詰められたガラス瓶が並べられ、その独特な香りが鼻をかすめる。 場違いなんじゃないか。そんな思いがどんどん込み上げてくる。 「帰ろっかな……」 そんな言葉がため息とともに漏れる。