あれからも平凡に高校生活を楽しんでいた、ある日のこと。
「……学力…てすと?」
配られたプリントに印刷された文字を、そのまま声にする私。
「学力てすと…って何かなぁ?陸」
「未夢何言ってんのさー
定期考査とは別に、学力診断テストがあるって入学式ん時先生言ってたじゃん?」
可愛いなーなんて言いながらケタケタ笑う陸の声なんてもう、私の耳には入ってなかった。
…………やばい!!!
限りなくやばい!!!
この高校には
悠ちゃんに毎日のように家庭教師してもらって
死ぬものぐるいで勉強して入った。
入ってからというもの
JKだー
悠ちゃんだー
友達と遊ぶだー
…………とにかく
勉強なんてひとつもしてない。