妊娠が確実になったところで美恵は夫幹男との離婚を決意し、まず娘の由美に真実を打ち明けてみた。

『現在お付き合いしている男性がいる事・その人との間に赤ちゃんが出来た事・夫とはお互いに愛情のかけらもないから、これをきっかけに離婚したい事・離婚したら父親か母親のどちらに着いてくるか…』

正直に全部話した。

すると由美は

「私はお母さんの味方よ。あんなお父さんとはもっと早く別れればよかったのよ。よく今まで我慢してきたよね。私はずっとお母さんと一緒だからね…」

そう言って母親の両手を握りしめてくれた。

「由美ありがとう。今度康弘を紹介するから、その時はよろしくね」

美恵はとりあえず、康弘と美恵のツ−ショットの写メを由美に見せた。

「優しそうな人じゃない。お母さん幸せそうね」

「とても優しい人よ。由美も気に入ってくれるといいんだけど…」

「ところで、お父さんにはこの事をいつ話すの?」

「そうね、今夜早速話してみるわ。由美も一緒にいてね」

「分かった、何かあったら私がただじゃ済まさないから」

由美は母親を味方になってくれ、心強い言葉までかけてくれた。