さらに1時間潰し
店を出た


さっきより
風が冷たい


駅へ向かって
歩こうとしたら


ヴオオオォ………

ブゥンブゥンブブ…

目の前を
暴走族が走ってきた

その一番裏を
黒いセダンが
ゆっくり走って
裏の車達を止めていた

立ち止まって
見ていると
黒いセダンの
運転席の窓が開いて
3人の男の顔が見えた


「ねぇねえ!」


いきなり呼ばれ
思わず呼ばれた
方を見る


「おお!やっぱ美人!!」


助手席の男が
身を乗り出して
窓からのぞきこんできた


「本当だ!」


裏の席に
乗ってる男も
身を乗り出してきた


「おい、邪魔だよ」


運転席の
男は助手席の
男に言った


「男いるの?」


「居ないなら乗りなよ!」


「え、………」


困っていると
裏の席にいた
男が降りてきた


「いないんでしょ?」


「え、う、うん」


勢いに押され
そう返事すると
肩を押され
車に乗せられた


「ヤベ、裏止めすぎた」


結構先に
暴走族の一番
後ろが見えた


車の中は
足元に青いライトが
あって綺麗だった
中も皮のシートで
いかにも高級車だ


「はろ!」


助手席の男が
裏を向いた


「俺、修二!」


横の男が
しゃべり出す


「俺は克也でこっちは龍!」


「名前は?」


「りあら…」


「それ本名!?
スゲーな!」


いちいち
テンションが高い…


少しスピードを
あげた車は
すぐに裏についた


「そんなに固くならないでよ!」


「あ、はい…」


「無理矢理乗せて悪いな」


「これ終わったら
俺ら暇だからさあ」


「あ、心配しないでね?
襲ったりは絶対しないから」


「は、はぁ…」


まだ掴めない
状況に戸惑いを
隠せない