せんせいと、せんせいの部屋で、キスをしました。
せんせいとのキスは、わたしにとっては、なににも代えがたい宝物で。
だからよんかいめ、ごかいめって。
せんせいがくれたキスを、一生懸命覚えて、数えようとしたのに、もう数える余裕なんか、なくて。
わたしはふわふわした意識の中で、ただ、せんせいに身をまかせることしか、できなかったのです。
すき、せんせいがすき、とうわごとのように繰り返すわたしのくちびるを、何度もふさいで。
「・・・すきだよ」
耳元でそう言ってくれたとき、わたしは、このまま消えてなくなってもいいと、本気で思いました。
春の気候による雪どけのように。
口の中で甘い余韻を残して消える、キャンディーのように。