そのときふいに、足の力がぬけて、かくん、て。
「ひゃ・・・っ!」
わたしはひっくり返って、おもいっきり、先生のベッドにしりもちをついてしまった。
でも柔らかいから、いたくない。
柊先生は、笑わない。
まっすぐわたしを見つめたまま、手を、のばして。
肩に、ふれる。そっと、押される。
わたしの全身が、ベッドにしずむ。
濃くなる。シーツに染み込んだ、先生の香り。
その香りと、ナマモノの先生にはさまれて、わたしはもうそれだけで、身動きひとつできない。
せんせい、せんせい、せんせい。
「・・・・・・最悪」
こつん、て、またおでこがひっついて。
少し赤い顔をして、前髪を乱した先生が、苦く、笑って。
「・・・お前のせいで、さっき勉強したの、全部ふっとんだ」