「なんで・・・キス、してくれたの・・・っ?」
柊先生への、質問。
いちばん、聞きたかったこと。
先生の顔を見ることができなくて、スカートのすそを、ぎゅうっと握る。
うつむく。耳も、ふさいでしまいたい。
もし、すぐそばで、あきれたようなため息が聞こえたら・・・
わたしはきっと、いますぐに蒸発して、消えてしまいたくなるから。
「からかっただけ、なの?」
「・・・・・・」
「それとも、わ、わたしが、しつこかったから?」
「・・・美景」
わたしの名前を呼ぶ、先生の声。
その声は頭に降ってきたもので、先生がいつの間にか、近づいてきてたことに、気づく。
「・・・美景、あのな・・・」
「たっ、ただ、なんとなく?それとも、す・・・す・・・」
だめ。だめだ。
・・・止まらない。