先生はずるい。ひどい。
ずるい、ずるい、ひどい。
いっつも余裕で、人のこと子ども扱いして。
この前はじめて、そうじゃない先生を見れた気がしたのに。
少し、とても。
・・・トクベツになれたような、気がしてたのに。
「・・・じゃあ身長。なんセンチですか」
「身長?んなこと聞いてどうすんだよ」
「〜いいじゃん!だって知りたいんだもん」
「179センチ」
「すきな、食べ物は?」
「んー・・・高野豆腐。たまごとあえたやつ」
「・・・すきな、動物」
「全部好きだけど・・・犬か猫なら、犬だな」
「・・・・・・すきな、ひとは?」
柊先生の顔から、意地悪い笑みが消える。
わたしと、先生の視線が交わって。