「あ、の・・・っ、」
「どうせ、学校でたくさん宿題出されて、教えてもらいにでも来たんだろ」
でも、めまいが起こるより先に、がっかりさせられてしまった。
だって先生が口にしたのは、いつもと同じ。
わたしをちょっとばかにする、子ども扱いのセリフだったから。
・・・先生、ぜんぜん、フツーだ。
期待がしぼんで、不安がふくらむ。
やっぱり大人の先生には、あんなキス、なんてことないことだったの?
わたしはあの夜から、ずーっと、先生のことばっかりで。
先生の顔が、言葉が、温度が、ぐるぐるぐるぐる。何してても、抜けなくって。
ずっとずっとドキドキして、今だって・・・
「べつに・・・宿題は、ない、けど・・・」
・・・普通にふるまえないくらい、ドキドキしてるのに。