・・・



「ごめん、この家、ココアないんだよ」




柊先生がそう言うと同時に、ことん。


テーブルの上にのっかったのは、上品な白いカップのなかで、たぷんとゆれるミルクティーだった。



甘いにおいが鼻の奥をつついて、すっごくおいしそうで、でも、それよりもなによりも。




「・・・へへっ」

「なに」




・・・柊先生の、部屋だぁ・・・!!



わたしはソワソワ、まわりを見渡して。すっかり、感動してしまっていた。



お家に入れてくれてすぐ、柊先生は、わたしを自分の部屋に、通してくれた。



ここに来るのは、すごく久しぶり。先生のにおいが、充満してる。


清潔で、ぱりっとしてて、でも、男らしい香り。