地面にぬいつけられちゃったみたいに、動けない。
どうしよう。柊、先生だ。
わたしの立つ地面から、離れているのに。高いところに、いるのに。
石岡先生に顔を近づけられたときより、緊張する。
「あ・・・あのぅ・・・」
「ん?」
「あの、ね!!柊先生に、会いたいんだけど、でも・・・あの、家押しかけるとか、さすがにうざいかなーって・・・」
ぎゅっと目をつむって言い終えると、ガガガーッて、引きずるような音がして。
家の前に、そびえ立っている門が、自動でひらいた。
「・・・うざくないよ」
「せん、あのっ、」
「うざくないから、入っておいで」
ーー入っておいで。