さすがに押しかけるのは、メイワクかなって思うし。
顔見たら、なに話したらいいか、絶対わかんなくなるし。
・・・声すらうまく、出せる自信、ないし。
やっぱり、やめておこう。
チャイムに伸ばしかけた指を、また、引っ込めて。
とぼとぼと、家に帰ろうとしたときだった。
「・・・なにしてんの」
「〜!?」
降ってきた声に、反射的に、顔を上げる。
おおきなお家の、2階の、先生の部屋。
窓を開けて、ほおづえをついた柊先生が、すこし笑って、こっちを見てた。
「ひぇっ!?」
「なにさっきから、ウロウロしてんの」
「い・・・っ、」
・・・いつから、見られてたの。
恥ずかしさとおどろきで、口をあけたまま、かたまってしまう。