・・・



石岡先生の車を降りてから、数分。



「うーん・・・」



わたしは、うなり声をあげながら、柊先生の家の前を、行ったり来たりしていた。



先生の家は、この一帯でいちばんおおきくて、立派。


お庭もあるし、わたしの家が3個くらい入るんじゃないかなってくらい、広いんだ。


そうっと見上げる、柊先生の部屋。


レースカーテンが閉められていて、中にいるかどうかは、わからない。



「うーん・・・」



石岡先生が変なこと言うから、よけいに、不安がおおきくなって。



いてもたってもいられなくて、家の前まで来たはいいものの・・・


さっきからずっと、チャイムを押せないでいる。