すぐとなりでニヤニヤされるから、ペースが乱れる。
しかも、そのあとに。
「ま、そんな重いもんじゃないからね、キスは」
石岡先生がそんなことを言うから、ガツンと、衝撃を受けてしまった。
「え・・・」
「だって俺、ちょっとかわいいと思ったら、キスしたくなるもん」
「さ、さいていっ!!」
目を白黒させるわたしに、石岡先生は、
「大人の男は、だいたいそんなもんだよ」
そんな、意地のわるいことを言ってきた。
「〜っ、柊先生は、そんな軽くないもん!!」
「わかんねーよ?アイツだって、男だし」
赤信号で、車が止まる。
すると、顔にふ、と影が差した。
「ちなみに俺、美景っちのことかわいーって、思ってるけど?」
「・・・!?」