「もー!おどろかさないでくださいっ!!」
「学校帰り?乗っていけば?送るよ」
「べつにいいです、電車でーー」
「人の好意は受け取っとくもんなの」
断ったのに、石岡先生は、通せんぼするみたいに、わざと車を寄せてきて。
しかたなく、助手席に乗ることになってしまった。
「えーと。家は、病院のすぐそばだよな」
すぐに出発した車。
石岡先生は、鼻歌まじりに、ハンドルを切っている。
「・・・そうです、けど」
「じゃないと、夜遅くに遊びに来られないもんなー」
「っ、」
「明日は楽しみで楽しみでしかたない、柊先生の日だねー」
からかう口調で言われて、むっと、くちびるをとがらせた。
「わ、わたしのことじゃなくて、自分の恋愛の心配でもしたらどうですか!?」