そう言って、タオルを手渡してくれる石岡先生。
ふかふかの白いタオルに顔をうずめたら、今日は出てないお日様の匂いがした。
「・・・ありがとうゴザイマス・・・」
石岡先生は、柊先生と同じ、内科の先生だ。
柊先生より、1個上だって。
先輩だから、柊先生はもちろん、石岡先生に敬語を使う。
したがって、わたしも敬語。
ここにずうっと通うあいだに、この石岡先生とも、もうすっかり顔なじみだ。
『石岡先生もかっこいいって人気なのよ〜!』
・・・って看護師の安井さんが言ってたけど、わたしは柊先生のが、百倍いいなぁ。
見た目も、中身も、声も、なにもかも。
それに、石岡先生ってなんか、女慣れしてそーっていうか。軟派っぽいんだもん。
石岡先生も、わたしが甘党で、ココア好きなことを知ってる。
石岡先生がココアを作ってくれてるあいだ。
ふと顔を上げてみると、ハンガーにつるされた白衣が、目に入った。