家に帰ったら。すぐにキッチンに向かって、お湯をわかして。
わたしはきっと、苦いブラックコーヒーを、がんばって飲む。
・・・そしてきっと、眠れないんだ。
ちょうどいい、数学の宿題が、まだもうちょっと残ってるんだから。
苦い、苦い、大人の味で舌が麻痺してくれるまで、いったいあと、どのくらいなんだろう。
暗い病院。
ひとつ灯るあかり。
閉じられた、とびらの向こう。
「だいすき、とか・・・正面きって言うなっての。ばか」
頬を赤く染めて、がっくりとうなだれた先生がいるなんて、わたしは少しも知りません。
そしてわたしは、階段をおりるのです。
火曜日。
水曜日。
木曜日。
・・・金曜日。
はやく、次のトウチョクの日が来い、と思いながら。