ノートを乱暴にカバンにつっこむと、席を立つ。



もうずいぶん遅いけど、家は病院を出て、すぐのところにあるから。


おこちゃまでも、ひとりで帰れますよーって。



口をとがらせたまま、部屋を出ていく直前。




「・・・美景」




柊先生の、笑みをふくんだ低い声が、わたしの背中ではじけた。




「彼氏ができたら教えろよ?」




・・・せんせいのばーか。