教授が近付いてくる。


私は首を振りながら後退った。



――逃げなきゃ…!!



本能がそう言った。


私は全力で、その場から走り出した。



「誰かっジョーカーが逃げたわ!捕まえなさいっ!!」








「それで…私と奴らの鬼ごっこが始まったの。逃げて、捕まりそうになって…川に落ちちゃって…それでまた記憶喪失。運悪く、直樹に拾われた。…これで全部だよ。何か質問は?」



直樹は信じられないって顔してる。


そりゃそうだよね…こんなマンガみたいな話。


だけど…本当だから、傍に居られない。