でも、帰れない。


…帰れないよ。


だって、私は…。




SIDE/直樹



「来ないで…っ!!」



帰ろうって手を差し出したら、拒絶された。


強張った声で、後退っていく…首を振りながら。


警戒してる猫みたいだ。


…怖がってる…?


僕を…?


やっとの思いで黒服の男をドブにハメてやって…あいつをやっつけたから、のぞみと一緒に帰れると思ってたのに…。


どうして…?


君に拒絶されるなんて…悲しくなって涙目になってしまう。



「のぞみ…なんで?一体、何があったの?どうしちゃったの?」