SIDE/のぞみ



直樹、どうしただろう。


私が来なくて、慌てて探してるのかな…。


一年前も、今日みたいに…待ち合わせ場所に行けなくて。


私は…。



「はぁ…はぁ…っ…のぞみ…?」



突っ伏して泣いていた私は、信じられない声を聞いた。


まさか…幻聴…?


恐る恐る顔を上げてみると…。


「…な…なお…き…?」



え…私…ヤバいでしょ。


幻覚見ちゃってるよ。


直樹が居る訳ないでしょ?



「良かった、無事で。大丈夫だよ、もう誰も追ってこないから。」



何…言ってるの…?