「や…だ……っなんで……!?」



思い出したくない…違う、こんな…こんな事って…!!


違う、私の記憶なんかじゃないって思うのに…どんどん空っぽな頭に記憶が戻ってくる。


私は走りながら…全てを思い出していた。







「はぁ…っはぁ…っは……っ」



突然戻った重すぎる記憶で、ぐちゃぐちゃな気持ちになりながら。


がむしゃらに逃げた。


もう、誰も追いかけては来なかった。


気が付けば街の外れまで走ってきていた。


人気のない路地。


ビルとビルの間の、薄暗い所に身を隠すような感じでしゃがみこんだ。