「…い……っ!!」



頭が壊れるんじゃないか…そう思う程、一際頭が痛くなった。


…そう…だ…。


私は…この男を…全身真っ黒な男を…知ってる…!



「見つけたぞ、望月のぞみ。いや…ジョーカー。」



逃げなきゃ…っ!!


瞬間的にそう思った。


腕を捕まれたから、それを力いっぱい振り払ったら…男が少し吹き飛んで倒れた。



「え…!?ぁ……っあ……!!」



信じられない、自分の力の強さ。


怖くて…走った。



「待てっ!!」



男が追いかけてくる。


必死で逃げた。


逃げながら…走りながら…走馬灯のように頭に色々なことが次々に浮かぶ。