「…思い出せないんだけどね…?この直君の体温の熱さ…知ってるって…思ったんだ。」



穏やかに、少し照れ臭そうに微笑んで…また僕に寄り添うのぞみ。



「のぞみ…僕、マジで記憶なんかどうでもいいよ!のぞみがもう一度好きになってくれたんだもん…それだけで本当に幸せだから。」



ほんとにそう思ってるのに、のぞみは呆れたように溜め息を吐いた。



「…記憶戻んなかったらずっと私、ここに引きこもりじゃん。それに…いるんでしょ?私の家族とか。」



家族という言葉を聞いてハッとした。


そうだ…忘れてた。