のぞみは抵抗しなかった。


僕の腕の中で…泣いてくれた。



「…のぞみは…のぞみだよ。以前と変わらない。」



「でも…っ私は…私は、人殺し…っ!!」



今まで抑えていた感情が溢れ出したのか、のぞみは嗚咽を漏らしながら泣いた。


のぞみがこんな風に泣くなんて…。


僕も悲しくなった。


こんなに優しい君に、人殺しをさせた組織が許せない。



「人を殺したのは、今の…のぞみじゃない。」



強く抱き締めて、僕は告げた。


そして、素直な気持ちをゆっくりとのぞみの耳に囁いた。